特定看護師とは?

近年、医師不足や人手不足などの面から看護師の業務拡大が協議されています。
特定看護師(仮称)制度の導入なども急がれていますが、特定看護師とはいったい何なのでしょうか?

 

 

特定看護師とは、本来これまでの看護師法において、「診療の補助」とされなかった特定の医療行為を行為に応じた研修を修了した看護師(これを仮に特定看護師と呼ぶ)が医師の包括的指示を受けて実施できるようにするものです。

 

この看護師の業務拡大に関しては賛否両論あり、医療を受ける側からも、看護師側からもいろいろな意見が見られます。

 

ここでは、特定看護師の業務内容を簡単にあげていきます。

 

特定看護師ができるとされる「特定の医行為」

 

・適切なタイミングで行う事によって症状の早期改善や不安解消などのサービス向上につながる検査

 

  • @動脈血ガス測定のための採血やエコーの実施
  • A患者の重症度の評価や治療効果判定等のための身体所見を把握するための検査
  • Bエコー・胸部単純X線撮影、CT・MRIなどの実施時期の判断と読影の補助などの検査
  • CIVR時の造影剤の投与、検査中や検査後の患者の管理、カテーテル挿入時の介助など。

 

・患者の療養生活の状況や、身体的状態から適切な実施時期を判断して処置することで、診療の円滑な進行や患者のQOL(クオリティオブライフ)の向上につながるような処置

 

  • @人工呼吸器装着中の患者のウイニング(離脱)・気管内挿管・抜管
  • A褥瘡の壊死組織のデブリードマン(除去・清浄化)などの処置
  • B創部ドレーンの抜去
  • C褥瘡に創傷処置など
  • D深部に及ばない創部の切開や縫合などの創傷処置

 

・患者の所y泰に合わせて必要な薬剤の種類や量などを含め必要な時期に使用したり、副作用出現時の薬剤の中止や変更をすることで、状態悪化の防止、術後の早期回復など患者のQOL(クオリティオブライフ)の向上につながるような薬剤の選択、使用

 

 

  • @疼痛や発熱・不眠・脱水・便通異常などへの薬剤の選択や使用
  • A副作用出現時や症状改善時の薬剤の変更・中止など

 

以上のようなものが挙げられます。
こういったものは、厚生労働省のチーム医療推進会議で看護師業務のあり方として、今後拡大されるものとして検討されていますが、前述の通り看護師側、患者側双方から賛否両論出ているため、今後も検討、実施するのであれば、しっかりとした教育体制などが急がれています。

 

 

また、現時点において「特定看護師(仮称)要請調査試行事業実施課程」の申請をするには、以下の定められた条件を満たしている必要があります。

 

  • @日本看護師協会が認定する街頭分野の認定看護師の資格を有すること。
  • A当該分野の認定看護師としての実践を積んでいること。
  • B認定看護師の資格取得後、5年以上の経験を有すること。
  • C研修を受けるに当たり、所属施設の看護部長あるいは施設長の同意を得ていること。
  • D出張および研修等で研修中の身分が保証されていること。

 

まだまだ試験段階ではありますが、特定看護師へのキャリアアップが可能な病院などもあり、今後本格的に導入される場合看護師の責任や負担も増える事も考えられ、看護師のキャリアアップが今後どんどん必要になっていく可能性もあります。

 

認定看護師とは?

認定看護師とは日本看護協会の認定審査に合格し、ある特定の看護分野にて熟練した看護技術と知識を有することが認められた者をいいます。

 

認定看護師制度は、特定の看護分野で熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出し、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的としています。

 

認定看護師になるには、以下二つの条件を満たした上で認定看護師教育機関(課程)修了(6か月・615時間以上)した後に認定審査(筆記試験)を受け、合格する事が必要です。

 

日本国の看護師免許を有すること
看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること
※(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)

 

認定審査合格後に認定看護師認定証交付・登録がなされます。
現在特定されている分野としては、以下となります。

 

 

救急看護
・救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
・災害時における急性期の医療ニーズに対するケア
・危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援

 

緩和ケア
・疼痛、呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和
・患者・家族への喪失と悲嘆のケア

 

皮膚・排泄ケア
・褥瘡などの創傷管理およびストーマ、失禁等の排泄管理
・患者・家族の自己管理およびセルフケア支援

 

集中ケア
・生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防
・廃用症候群などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーションの実施(体位調整、摂食嚥下訓練等)

 

がん性疼痛看護
・痛みの総合的な評価と個別的ケア
・薬剤の適切な使用および疼痛緩和

 

がん化学療法看護
・がん化学療法薬の安全な取り扱いと適切な投与管理
・副作用症状の緩和およびセルフケア支援

 

訪問看護
・在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理

 

感染管理
・医療関連感染サーベイランスの実践
・各施設の状況の評価と感染予防・管理シ
ステムの構築

 

不妊症看護
・生殖医療を受けるカップルへの必要な情報提供および自己決定の支援

 

新生児集中ケア
・ハイリスク新生児の病態変化を予測した重篤化の予防
・生理学的安定と発育促進のためのケアおよび親子関係形成のための支援

 

乳がん看護
・集学的治療を受ける患者のセルフケアおよび自己決定の支援
・ボディイメージの変容による心理・社会的問題に対する支援

 

糖尿病看護
・血糖パターンマネジメント、フットケア等の疾病管理および療養生活支援

 

透析看護
・安全かつ安楽な透析治療の管理
・長期療養生活におけるセルフケア支援および自己決定の支援

 

手術看護
・手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を
予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
・周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践

 

摂食・嚥下障害看護
・摂食・嚥下機能の評価および誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の予防
・適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択および実施

 

小児救急看護
・救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
・育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護

 

脳卒中リハビリテーション看護
・脳卒中患者の重篤化を予防するためのモニタリングとケア
・活動性維持・促進のための早期リハビリテーション
・急性期・回復期・維持期における生活再構築のための機能回復支援

 

認知症看護
・認知症の各期に応じた療養環境の調整およびケア体制の構築
・行動心理症状の緩和・予防

 

がん放射線療法看護
・がん放射線治療に伴う副作用症状の予防、緩和およびセルフケア支援
・安全・安楽な治療環境の提供

 

慢性心不全看護
・安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた生活調整及びセルフケア支援
・心不全増悪因子の評価およびモニタリング

 

慢性呼吸器疾患看護
・安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸器機能の評価及び呼吸管理
・呼吸機能維持・向上のための呼吸リハビリテーションの実施
・急性増悪予防のためのセルフケア支援

 

 

なお、認定看護師になると、正看護師よりも給料・年収は上がり、専門手当のようなものがつきます。しかし、認定看護師を必要としない病院の場合そういった手当は必ずしも貰えるものではなく、病院選びにも左右されます。

 

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